腸イイ!倶楽部
インタビュー
口腔の健康につながる情報を、患者さん一人ひとりに合わせて伝えているという上野清香さん。特に力を入れているのが、“小腸”に関する提案です。歯科の分野にいながら、小腸に着目するようになった理由をうかがいました。
口は体の一部であり、消化器官の一つ。全身から口を見たり逆に口から全身を見たりしながら、口腔内に起きている問題の本当の原因を探っていくことが重要だと思っています。
「全身歯科」という学問は世の中にありません。でも、そういう視点を持って患者さんと向き合うようにしているんです。
爪の健康についての話を歯につなげることもありますし、ウォーキングの話題から咀嚼の話に持っていくこともありますよ。一人ひとりの関心に合わせていろいろな角度から、お口を健康にする情報を提供しています。
なかでも重要なのが、「歯ぐきの健康のために小腸を元気にしましょう!」という提案です。
歯肉と小腸って、一見遠いように感じますよね。そこに大きなつながりがあると知ったのは、歯科衛生士学校の卒業を控えていたころ。歯周病専門の医院に就職しようと勉強していたときでした。
歯周病菌と戦う、口腔粘膜の免疫細胞。それがどういうものかを掘り下げていくうちに、“小腸で作られている”ということを知ったんです!
だとしたら当然、歯周病予防は口の中を診ているだけじゃダメ。免疫細胞がきちんと働くよう、小腸も視野に入れるべきだと気づきました。
例えば、お仕事が忙しいという方。ひと段落したころに、歯肉がブワッと腫れることがあります。気が緩んで、免疫の機能がガクッと落ちるんですね。そんなときはこう伝えます。
「心配だから来月もお口の中をチェックさせてくださいね。あと、小腸を意識したケアも大事ですよ!」
具体的には、食事をよく噛んで小腸に負担をかけないよう話したり、小腸の免疫細胞を活性化する乳酸菌『HK L-137』を紹介したり。口と小腸のつながりをきちんと伝えれば、「なるほど!」と納得して取り組む患者さんは多いですよ。
患者さんを健康に導くため、今後も歯科に限らずいろいろな分野の勉強を続けていくつもりです!