乳酸菌の特徴は、名前でわかる!?
ラクトバチルス・プランタラム……。
なんだか舌がもつれてしまいそうな言葉ですね。実はこれ、ある乳酸菌の学名なんです。
正式に登録されているだけで300種以上もある乳酸菌。その一つひとつにこのような名前があります。
細菌は形や特徴などに合わせて分類され、『国際細菌命名規約』に沿ってラテン語で命名。「属名」と「種形容語」からなる二名法で名付けられます。これはいわば苗字と名前のようなもの。「ヤマダさんち(属名)のタロウくん(種形容語)」ととらえると、イメージしやすいかもしれません。
乳酸菌の「属名」で代表的なものが、冒頭で登場した“ラクトバチルス”。この名は乳酸菌の形状を表しています。
いくつかご紹介しましょう。
●棒状の“ラクトバチルス属”
【ラクト=乳、バチルス=短い棒】
最も一般的な乳酸菌である乳酸桿菌(桿菌とは、棒状の細菌のこと)
●丸型の“ラクトコッカス属”
【ラクト=乳、コッカス=球】
丸い形の乳酸菌、球菌
●球が連なった“ストレプトコッカス属”
【ストレプト=柔軟な、コッカス=球】
鎖状につながった乳酸菌、連鎖球菌
この「属名」に続くのが「種形容語」で、一般的に乳酸菌の特徴を表す単語が使われます。
●植物の:プランタラム
●熱を好む:サーモフィラス
●酸を好む:アシドフィラス
●乳の:ラクチス
さらにこの後に「菌株」が続き、固有の名前となるのです。
さて、東南アジアの発酵食品“なれずし”から見つかった乳酸菌L-137。
正式な学名は『ラクトバチルス・プランタラム L-137』です。どんな意味があるのか読み解けますか?
植物性乳酸菌の一種であるラクトバチルス・プランタラムは、ぬか漬けやピクルス、ザワークラウトなどに存在しています。
身近な食べものと同じ菌属である乳酸菌L-137。名前からも、安全な食品であることがわかりますね!